うたを作りたい
佐藤さんがある日一冊のノートを持ってきました。何が書いてあるのか尋ねると、「歌を作ってみたんだ!」とのことでした。それ以来ほぼ毎日数曲ずつ詞を書いてくるようになりました。
ある時から佐藤さんの詞に変化が現れました。それは自分の気持ちを詞の中に書き始めたことです。彼は自分の気持ちをあまり表に出さないタイプなので、その彼が、「○○と思う。」「~したい。」等いつもは絶対言わない様なことを書くのです。その頃から「自分のこと」を唄う歌が、彼の新しい作詞の形になって行きました。どんな形であれ「自分」を出せたことは、彼にとっては大変なことでした。
そしてある詞の内容を見て驚きました。
「不安はあっても前に進みたい気持ち」を歌ったとても前向きな歌でした。しかも「自分が新しい生活に移った時に、周りの人に優しくしたり仲良くしたりするためには、まず自分がちゃんとしなくっちゃて思った。自分のことが分からないと、 他の人のことはできないと思う。」とその詞についての説明がありました。彼の深い考えに大変な衝撃を受け、「こんなしっかりした信念で考えた歌詞なら、これはもうこの歌を完成させるしかない。」次の日から、佐藤さんと相談して「この歌詞をもっと掘り下げて、曲も付けてちゃんと歌にしよう。」と言うことになりました。
曲は職員が作り、山形市内を中心に演奏活動をしているSAKIさんに手直ししていただき、編曲と演奏は、置賜地区を中心に活躍しているバンド「メロメ」にお願いしました。(ともに職員の友人です。)メロメは佐藤さんが一度ライブを観に行き、それ以来、大好きになったバンドです。
事情を説明すると快く引き受けて下さり、平成28年度の「まんさくの丘まつり」に出演してくださり、佐藤さんの歌を演奏して下さいました。
そしてご厚意でその歌をレコーディングし、このCDを作ってプレゼントして下さいました。
ちょっとしたきっかけから、色々な方々の支えがあって完成した歌です。佐藤さんは「うたを作りたい。」という夢をかなえることができ、そしてそれは今、佐藤さんにとって大きな自信となっています。
蔵王通勤寮 髙橋智彦
左がメロメさんで、右は僕です。
本人から
ぼくにとってさくしとは、たのしみのひとつで、しゅみです。この歌には、じぶんのじりつにむけて、たくさんのなやみがあること、がんばりたいと思っていることを、どうしても歌にしたいなぁ~と思い、それをつたえたい気持ちをこめました。
ぜひ、この歌をきいてくださるとうれしいです。これからも、おおえんよろしくおねがいいたします。
佐藤 英明